『しょせん幸せなんて自己申告』綾小路きみまろ
結構な高齢になってから、彗星の如く現れて売れた芸人である、綾小路きみまろ氏の著書。 我々からはそう見えるのだけど、それまでに氏は、ずっと芸人として舞台や営業を続けていた。 知る人には、その確かな実力を認められてもいた。 それでも、売れてはこなかった。 もちろん並々ならぬ努力をして、著者はここまで来た。 努力や苦労が尊いのは確かだけど、その前に売れても良かった気はする。 それはそれで問題は起きたかも知れないし、この芸歴と年齢だから売れた、という部分はあるかも知れない。 ともあれ、そんな著者が書くエッセイは、実に人生の機微や含蓄に富んでいる。 タイトルにある通り、幸せは絶対的で主観的なものだろう。…
2025/07/15 06:46